「ひとり会議」

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ライティングの技術|@弁護士が書いた究極の文章術―誤解なく読み手に伝える書き方のヒント28

 

 読書メモ:ライティングに活かしたいもの

「伝えたいことを誤解なく読み手に伝える技術」

弁護士が書いた究極の文章術―誤解なく読み手に伝える書き方のヒント28*1

  • キーワードの選定

・「あなたがその文章で一番いいたかったこと」を ”ひと言” で書いてみる。
・繰り返し唱えることで、読み手の脳にキーワードを刻み込む

①キーワードを選定する
②同じキーワードを繰り返し書く

  • 用語を統一する

ひとつの文章のなかで、用語は統一する
→単なる書き間違いだと思った場合には、「書き間違いが多い文章だ」という評価になる
①キーワードを選定したら、同じキーワードで統一します

  • 大事なことは繰り返す

・できるだけ読み手に負担をかけないように、読みやすい文章を書く
・不思議なもので、感激した文章は繰り返し読みたくなります
→書き手は、徹底してサービスをする必要があります
・大事なことは繰り返す(リフレイン)

①どうやって繰り返すか
・ひとつの文章全体の中で、何回か同じことをいう
・例えば、冒頭にまず「結論」をいう。そして、「以下のその理由を述べる」などと前置きして本論に入る。本論の中でもいくつかの章をつくる。その章ごとに「小括」を入れる。その「小括」でやはり「結論」を述べる。そして、ダメ押し的に、最後に「まとめ」として再度「結論」を述べる。

②三回も繰り返せば、読み手の頭にそのフレーズが残る
・読み手は「書き手が伝えたいことは、そのフレーズなんだな」と理解する

  • 1文は短くする

・理由:一文が長いと主語と述語の関係が不明瞭になる
①コツ|その1
 ・基本的にすべての分が、一行で終わるように意識する
 ・一行で終わらないときは修正の方針をとる
 ・一行で終わらないときは、削りに削る
 ・複文はすべて短文にする。
②コツ|その2
 ・主語を意味が通じるときは、主語を省略する
 ・それでも一行を超えるときは体言止めにする
 ・伝えたい意味が伝わればいいので、同じ意味で短い別の表現を探す
 ・伝わる意味が変わらないのであれば、余計な言葉はすべて削除する

  • 構成に時間を掛ける

・誤解なく読み手に伝える
「どのようなことを、どのような順序で、どれくらいのバランスで書くのか」を構成する(最初にまず構成を決める)
①構成をメモとして書き出す方法
 ・頭で構成をイメージ方法
 ・PCで構成を練る

  • 書く前に結論を決める

・結論を伝えるための手段が文書
・例:廊下では携帯電話の使用を禁止する
 ・論理解釈[目的論的解釈](規定された趣旨にさかのぼって解釈する)

  →「張り紙が廊下での携帯電話の使用を禁止した趣旨は害しない。したがって、廊下でメールすることは禁止されていない」
 ・文理解釈(形式的に条文のとおりに解釈する)

  →「携帯メールをすることは、文字通り「携帯電話の使用」である。したがって、廊下で携帯メールすることは禁止されている」

  • 論証パターンという考え方

・論証の順序

  1. 問題提起をする
  2. 反対説を紹介する
  3. 反対説の問題点を指摘する(反論する)
  4. 自説の根拠を述べる(理由付け)
  5. 結論を書く

・論証の流れ
 抽象論(一般論)→具体論(あてはめ)→(具体的な)結論

  • メリハリをつける

その文章をで何を伝えたいのか(強いてひとつに絞れば何か?)
・書き手は、そのことを明確に意識している必要があります
・その一番いいたいことに向かって、書く事柄を厳選していく

論定抽出能力
 
・「どの論点が重要なんだろう?」という観点から、もう一度検討してみる

  1. 一番重要な論点はなんだろう?(◎)
    →丁寧にボリュームのある論証をする
  2. 次に重要な論点はなんだろう?(○)
    →基本的なことをを一通り書く「◎」よりは分量を減らし、コンパクトにする
  3. それほど重要ではないけど、他の人も意識する論点はなんだろう?(△)
    →大胆に短く書く
  4. 些末な論点はなんだろう?(☓) 
    →書かない
    ※気づいたのに書かない。それはとても勇気がいる
    ※知っているけど書かない
    「知っているけど書かない戦略」
  • 限定の威力
    時間の限定

・時間が限定されていることは、能力が発揮しやすいように環境を整備してくれている
・限られたポイントは、「記号化」と「事前準備」

 ・記号:自分がみればわかる程度の字数の少ない「記号」をつくる
 ・事前準備:典型論点をつくっておく

・集中して書けば、質の高いものをつくれる
・時間を断絶させない

 ・一気にその文章を書き上げる

 ・原案作成は一気に行う

  紙面の限定

・読者は、短い時間で要点を知りたいのだ
・読み手に、喜んでもらう文章を書くことに意識を向ける

  • 細かい議論は捨象する

・「主要な議論」と「細かい議論」を分別する
・細かい議論は捨てる

  • ひらがなと感じのバランスを意識する

どのような分字を使うのが一番読みやすいか? という視点を持つ

  • 事実と意見を区別する

・「客観的な事実」は、誰がみても動かしようのない事実
・「主観的な意見」は、その事実を前提とした書き手自身の考え

  • 論拠を示す

・あたなの主張が正しいことを裏付ける証拠を示す
論拠の示し方:①意見→②論拠(後出し証拠の法則)
 ・説得力を出す順序

  • どんな場所でもすっと読める文章にする

・どこで読まれるか?
・どれくらいの時間で読まれるのか
・どれくらいの気合を入れて読んでもらえるのか

読み手の立場:忙しい中で、読まなければいけない文書のひとつとして、眺めるのだ
・例えば、
 ・会議や打ち合わせの席で配布されても、その場ですぐに読める文章
 ・ぱっと目を通すだけで、概要が分かる文章
 ・ガヤガヤした喫茶店でコーヒー片手に眺めたとしても理解できる文章

  • アクセントを付ける

サービス文章の極意 五箇条

  1. 手を変え品を変え、読み手を飽きさせない工夫
  2. 読み手の使い勝手がよい文章
  3. その文章を読むだけですべてを理解できるような文章
  4. どんな場所で読んでも、頭に入るわかりやすい文章
  5. 読み終わったとあとに、爽快感が残る文章
例:
  1. 強調・ゴシック・色・下線・囲い・図表
  2. さまざまな読み方ができるように工夫する
    「ゴシック読み」「色分け読み」「目次読み」
  3. 注脚やかっこ書き
  4. わかりやすい話から入る。難しい議論は、1から問題の所在を丁寧に説明し、極力わかりやすいないよになるように工夫する
  5. 読み手に感動・感激・達成感をプレゼントする
  • 接続詞のパターンを使う

「確かに」
「しかし」
「これを本件についてみると」
「思うに」「そもそも」
「とすれば」「そうだとすれば」
「したがって」
「まず」「次に」「さらに」「最後に」
「第一に・・・、第二に・・」


  • 読み手をリアルに意識する

・いつ
・どこで
・読む場所は、静か or うるさい
・どれくらいの時間をかけるのか
・どういう気持ちか
・どういった目的か
・何を知ろうとしているのか
・文章を読むのは、何回目か
・落ち着いて読むのか、イライラしながら読むのか
・読み続けたいか

  • 問題提起をきちんと示す

・論点が存在した理由まで遡る
・問題の所在を明確にする
・問題提起は丁寧にする
 自分にとってはあたりまえのことでも、省略しないで丁寧に書く
①その事案における直接の問題点を疑問文で書く
②その問題点が生じる理由を明らかにする(問題点が生じる理由)
③その問題点を解決するため、具体的に何が問題になるのかを示す(具体的な問題点=論点名)

  • 「必要性と許容性」という視点を意識する

・必要性:具体的な妥当性
・許容性:概念をどこまで解釈で拡張してよいか
その2つのレベルでわけて文章を書く

  • 抽象論とあてはめ

・抽象論は、一般的な汎用性があるモデル理論
・例:
 「そもそもーーー」
 「ともすればーーー」
 「したがってーーー」
・あてはめは、具体論

  • その文章にふさわしい文体を使う

・求められる文体は
 ・家族や友人ならば、「〜なんだよね」
  「〜である。しかしながら」では不自然。

  • 形式面(誤字脱字のチェックにも時間をかける)

・読み手の立場に立って読んでみる
・書き終えたら頭をまっさらにして、はじめて読むつもりで読む
例:

  1. リズムがわるい
  2. 流れがわるい
  3. 接続詞の使い方が的確でない
  4. 同じ接続しばかり使っている
  5. 文章が単調になっている
  6. 表現が練られていない
  7. 読み手には馴染みのない用語かも
  8. 説明が不足している